2017.12.02 (Sat)
対応機種:PSP
ジャンル:女性向け時代恋愛AVG
メーカー:オトメイト
レイティング:CERO:B(12才以上対象)
キャスト
源義経:立花慎之介
武蔵坊弁慶:津田健次郎
琥太郎:松岡禎丞
佐藤継信:三木眞一郎
佐藤忠信:鈴木裕斗

※「源狼 GENROH」のバナーに使用されている画像の著作権は、アイディアファクトリー株式会社に帰属します。
※辛口・ネタバレ注意
ストーリー
一一七九年。日の本の国——。
京の都では平清盛が率いる平家一門が栄華を誇っていた。
ある日、都近くの宿場町で行商人である「吉次一族」の若き当主が
殺される事件が起こった。当主の持つ一族の秘宝「龍煌石」が
密かに持ち去られていたが、真相は伏せられ何者が当主を殺したのかわからないまま、
事件は闇の中へ葬られることになる。
京から遠く離れた、奥州陸奥国沿岸——。
主人公の沙耶は小さな集落に住む十二歳の女の子。
母を病でなくし、独り残された幼い彼女は集落の名主の元で働きながら日々過ごしていた。
彼女は幼い頃から、人の嘘を見抜き、物の本質を見極める類稀な才能を持っていた。
ある日の朝、彼女の住まいを立派な一団が訪れた。
一団を率いていた若い男は彼女の前に恭しく跪き、こう言った。
「お迎えに参りました。お嬢様。」
状況が飲み込めないままに一団の運んできた立派な輿に乗せられて
奥州一の都「平泉」に連れられて行く沙耶。
今まで見たことのないような新しい世界、そして源義経の率いる郎党たちとの出会い。
やがて、日本全土を巻き込んだ「源平合戦」へ時代が移ることを、
まだこの時、沙耶は知らなかった。
総合評価:★★☆☆☆ |
源氏と平家という歴史もの。
戦の勝利等、史実に基づいてストーリーが進んでいきます。
源平の乙女ゲームというと某作品を思い出してしまう訳で。
他社作品だし比較するのは…と思いつつやっぱりそちらの方が面白かったな~…。
というのも主人公が天眼を授かった、吉次の長になった意味は
「龍煌石とともに滅びを見届け蘇りを援(たす)ける」と言ってたけど
御館ルートでよく分からなくなった。
龍煌石の力が某作品の逆/鱗と同じで白けてしまったのが大きい。
大切な人を助けるために時を越える設定は止めるべきだったと
思うしやるなら違いを出して欲しかった。
出会いから十年が経つのに主人公と御館以外変化なし。
七年経った~と言われても見た目が変わらないキャラがほとんどなので、
年数が経ったのが分かりにくい。
せめて攻略キャラは立ち絵の変化が欲しかった。(特に琥太郎)
恋愛描写は甘さ控えめですね。
妹のように接していたキャラが多いのにそこからいつ好きになったのか…。
大体長い間二人で旅をすることになるので、そこで育まれた、
ということになるとは思うんだけど…。
好感度が上がると嫉妬し出すので、「あ、もう好きになってるのね」とある意味分かりやすい。
流れはどのルートでも大体同じ。
最後は奥州炎上と決まっているので
「最後は隣にいるキャラが違うだけ」なのが否めなかった。
登場キャラが大体死ぬのは題材的に仕方ないけど、最初のルートで
攻略キャラ以外みんな死んだ後、「みなさん、私生きてます!」EDにはポカーン…。。
大抵「お前は沙耶と共に逃げろ!」攻略ルートキャラと共に逃げて助かる、
というパターンなので、ご都合主義が強い。
もう少し違う形の助かり方がなかったものか。
敵に襲われて絶体絶命の時はイヌワシが助けてくれる。
文を届けたり主人公の居場所を知らせたりとイヌワシ有能。
散々言ってきましたが、良かった点も。
魅力的なサブキャラ、特に平家の方が魅力的なキャラが多かった。
正直攻略キャラ達よりも信念や滅び行く一門の覚悟を感じられた。
特に敦盛は表向きは冷たい対応を取りつつ京が物騒なので
隠れて護衛してくれるし、義経との笛のシーンは美しく哀しい…;;
ちなみに源狼の推しは敦盛です。
千鳥に関しては初見、何か裏がありそう&ラスボスなのでは…と勘ぐってたけど、
そんなことはなく有能な番頭でした。
吉次が存続出来ているのは主にこの人のお陰。
でも何か千鳥のおまけイベントがあれば良かったのにな~。
クリア後に出来る交易物語。
子供時代の主人公がわらしべ長者になるおまけイベント。
綺麗な石から最終的にすごいことになってます。
法皇様太っ腹過ぎない…?平家側の穏やかな日常が垣間見れて良かった。
やはり敦盛は推しです。
後で詳しく記載しますが、主人公・沙耶が年を重ねても成長を感じられず、
幼いというよりも迷惑をかける言動ばかりするのでげんなり。
乙女ゲームそこそこプレイしていますが、苦手な主人公上位に入ります。
母親を亡くして下働きをしていて働く苦労を知っているはずなのに何でこんな性格にしたのか謎。。
辛口になってしまいましたが、BGMは良いし、メインテーマは東儀秀樹氏。
この時代の食べ物や背景等、詳しく調べ丁寧に制作したのだろうとは思うけど、
最後の同じ流れのシナリオと主人公で厳しめになりました。
以下キャラクター個別感想(プレイ順)↓
琥太郎
良くも悪くも最後まで「子供」だった。
沙耶とはお互い気になってるのに喧嘩してしまう幼いケンカップル。
うーん成長は見られるけど、それでも子供。せめて立絵に変化が欲しかった。
沙耶と共に幼すぎてイライラしてしまう方が多かった。
継信
継信に対する沙耶の態度が琥太郎と全然違くて笑った(笑)
ご都合展開に驚く…呪いそんな簡単に解けちゃうの?
この時代で言うのもなんだけど、継信からロリコン臭がする…。
忠信
チャラチャラしてるように見えて影で努力をしていたりと実は真面目。
他キャラルートでは分からなかった軽率な言動があったのが少し残念…。
知盛いい男だった…。
弁慶
このルートの主人公の言動が最高にイライラして苦そのものだった…。
平家との繋がり、それに対する弁慶の苦悩もあっさり終わったのも残念。
平家側が切ないので、気持ちが平家側にいってしまってました。
義経
情に厚く人を信じる、純粋とは聞こえがいいけど郎党達の声に耳を傾けず結果、
窮地に追い込まれ周りにいる人物達を死なしてるので好感度は上がらず…。
どんなに戦上手で強くて美男子でも付いていきたい武士とは思えなかった。
御影
主人公と共に生い立ちや吉次一族の秘密が分かる真相ルート。
他キャラ全員をクリアしないとルート開放しないともあって
期待していただけに拍子抜け…。
ご都合展開、某作品との被りで全員生存で大団円な筈なのにスッキリしなかった。
※かなり辛口なので、苦手な方は回避お願いします。
沙耶(主人公)
まず『天眼』の設定必要だったのか。
御影ルートで吉次一族の秘密が分かり、そういうことね、とは分かるんだけど、
特に『天眼』の重要な場面もなく、ただ『不思議な力を持つ少女』という設定に
したかっただけ、になっています。
登場時から旦那様に失礼な態度、「腹立つ」「大嫌い」を言いまくってたので、
嫌な予感はしてたけど、相手の心情も考えず「ひどい!裏切るんですか!?」と
責め立てたりと好感度上がる要素一切なし。
しかも数年過ぎても、この性格あまり変わらない。
立ち絵だけでなく中身も成長した描写を入れて欲しかった。
残れと言われても戦場に「待つなんて嫌だから自分も行く、行き先が同じなだけ、
偶然ですね、私もこっちに用があるんですよ、嫌です!嫌です!…」と必ず着いていく。
挙げ句の果てに「戦の物資や調達をしたのは吉次の長である自分だ」と
半ば脅す言葉を言い放つ始末。
吉次の長なのに無責任だし、それをほぼ毎回許す義経…。
吉次の長の務めをせず千鳥達に任せきりなのが腹立ちまくりで…
千鳥・八重・白雲の方がたくさん働いて吉次を支えているのに対して
沙耶は自分勝手に行動してるのに「さすが吉次」と誉められるのが納得いかなかった。
制作側は「正直者で凛とした意思の強い美少女主人公」を描いたんだろうな、と思います。
私は苦手な主人公となってしまいましたが、沙耶を好きな方ももちろんいるでしょう。
どう捉えるかはプレイヤー次第…。